雨の日や台風が近づくと、なんだか頭が重くなったり、気分が悪くなったり、吐き気を感じたりすることはありませんか?
それはもしかしたら「低気圧」が原因かもしれません。
低気圧が私たちの体に様々な影響を与えることは、最近よく知られるようになってきました。
特に、吐き気や体調不良は本当につらいですよね。
でも、諦めることはありません。
この記事では、そんな低気圧による不調を少しでも和らげるために、ご自身で簡単にできるツボ押しの方法や、具体的な対処ステップを、専門用語を使わずに分かりやすくご紹介します。
これを読めば、あなたも低気圧によるつらい症状を乗り越えるヒントが見つかるはずです。
一緒にスッキリとした毎日を目指しましょう。
つらい吐き気や体調不良は低気圧が原因かもしれません
「なんだか今日は調子が悪いな」「急に吐き気がしてきた」と感じる日、もしかしたら天気予報で「低気圧が接近中です」と耳にしていませんか?
ここでは、なぜ低気圧が私たちの体に影響を与え、吐き気や体調不良を引き起こすのか、その仕組みについて、できるだけ専門用語を避けて、分かりやすくご説明します。
原因を知ることで、対策への第一歩を踏み出しましょう。
低気圧ってそもそも何?私たちの体にどう影響するの?
まず、「低気圧」という言葉自体はよく聞くけれど、具体的にどんなものかご存知でしょうか。
簡単に言うと、空気の重さが軽くなっている状態のことです。
空気にも重さがあって、それが私たちを常に押しているのですが、その押す力が弱まるのが低気圧です。
この気圧の変化に、私たちの体は意外と敏感に反応します。
特に、気圧が急に下がると、体の中の圧力を調整する機能がうまく働かなくなり、自律神経という体の調子を整える大切な神経が乱れやすくなります。
この自律神経の乱れが、頭痛やめまい、そして今回注目している吐き気や体調不良といった様々な不快な症状を引き起こすと考えられています。
自律神経についてもう少し詳しく
自律神経は、私たちの意思とは関係なく、呼吸、体温、血圧、心拍、消化、代謝、排泄など、生命を維持するために不可欠な機能を24時間体制でコントロールしている神経です。
交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)の2種類があり、これらがバランスを取り合うことで、私たちの体は正常に機能しています。
低気圧のような外部環境の変化は、このバランスを崩しやすく、様々な体調不良の原因となるのです。
なぜ低気圧で吐き気が起きやすいの?そのメカニズムを簡単に解説
低気圧によって吐き気が起きやすくなるのは、いくつかの理由が考えられています。
一つは、先ほどお話しした自律神経の乱れです。
自律神経は、胃腸の働きもコントロールしているので、これが乱れると胃の動きが悪くなったり、胃酸が出過ぎたりして、吐き気を感じやすくなります。
また、低気圧の影響で体内の水分バランスが崩れることも関係していると言われています。
体の中の水分がうまく排出されずにむくんだりすると、それが内耳という耳の奥にある平衡感覚を司る部分に影響を与え、めまいや吐き気を引き起こすことがあります。
さらに、気圧の変化で血管が拡張し、それが頭の神経を刺激して頭痛が起き、その頭痛に伴って吐き気が現れることもあります。
低気圧による体調不良は吐き気だけじゃない?こんな症状にも注意
低気圧が引き起こす体調不良は、吐き気だけではありません。
人によって様々な症状が現れることがあります。
例えば、頭痛は非常に多くの方が悩まされる症状です。
ズキズキとした痛みや、頭全体が重く感じるような痛みなど、現れ方も様々です。
その他にも、以下のような症状が現れることがあります。
- めまい、立ちくらみ
- 耳鳴り
- 倦怠感、だるさ
- 気分の落ち込み、イライラ
- 集中力の低下
- 肩こりや首こりの悪化
- 古傷の痛み
これらの症状が複合的に現れることもあり、日常生活に大きな影響を与えてしまうことも少なくありません。
特に複数の症状が同時に出る場合は注意が必要です。
もしかして自分も?低気圧不調のセルフチェックポイント
「最近なんだか調子が悪いけど、これって低気圧のせいなのかな?」と疑問に思っている方もいるかもしれませんね。
いくつか簡単なチェックポイントをご紹介します。
- 天気予報を気にするようになってから、体調の変化に気づくようになったか。
- 雨が降る前や台風が近づいている時に、特定の症状(頭痛、吐き気、だるさなど)が出やすいか。
- マッサージやストレッチをしても、すぐに肩こりや首こりがぶり返すように感じるか。
- 以前は何ともなかったのに、乗り物酔いをしやすくなった、あるいは症状が重くなったと感じるか。
- 朝、すっきりと起きられない日が増えたか。
これらの質問にいくつか当てはまるようであれば、あなたの不調は低気圧が関係している可能性があります。
もちろん、これだけで断定できるわけではありませんが、一つの目安として参考にしてみてください。
特に天候と体調が連動していると感じる場合は、可能性が高いと言えるでしょう。
「気象病」や「天気痛」という言葉
最近では、低気圧などの気象の変化によって起こる様々な体調不良を総称して「気象病」や「天気痛」と呼ぶこともあります。
これは正式な病名というよりは、多くの人が悩んでいる症状に対する一般的な呼び方ですが、それだけ多くの方が同じような悩みを抱えているということでもあります。
もしご自身の症状がこれに当てはまるかもしれないと感じたら、この記事で紹介する対策を試してみてください。
自分でできる!低気圧による吐き気に効果が期待できるツボ押しケア
低気圧による吐き気は本当につらいものですが、そんな時に頼りになるのが「ツボ押し」です。
私たちの体には、様々な不調を和らげる効果が期待できる「ツボ(経穴けいけつ とも言います)」がたくさんあります。
ここでは、特に低気圧による吐き気や体調不良に効果的とされるツボの場所と、初心者の方でも簡単にできる押し方のコツを具体的にお伝えします。
道具もいらず、いつでもどこでも手軽に試せるのが魅力です。
吐き気に効く代表的なツボ「内関(ないかん)」の場所と押し方
吐き気に対して非常によく使われる代表的なツボが「内関(ないかん)」です。
乗り物酔いの時にも効果的と言われているので、ご存知の方もいるかもしれませんね。
内関の場所は、手のひら側の手首にあります。
手首のしわの真ん中から、指3本分(人差し指・中指・薬指をそろえた幅)ひじの方へ下がったところ、2本の太い筋の間にあります。
見つけたら、反対側の手の親指を使って、少し強めに、気持ちいいと感じる程度の力で押してみてください。
押す時は、ゆっくりと息を吐きながら5秒ほど押し、息を吸いながらゆっくりと力を抜きます。
これを数回繰り返しましょう。
左右両方の手首にあるので、両方とも刺激するのがおすすめです。
胃腸の調子を整えるツボ「足三里(あしさんり)」の場所と押し方
胃腸の調子を整え、体全体の元気をサポートしてくれるツボとして有名なのが「足三里(あしさんり)」です。
松尾芭蕉も奥の細道の旅で、足の疲れや胃腸の調子を整えるために、ここにお灸を据えていたと言われています。
足三里の場所は、膝のお皿のすぐ下にあります。
膝のお皿の外側のくぼみに人差し指を置き、そこから指4本分(人差し指から小指までそろえた幅)ほど下がった、すねの骨の外側の筋肉が盛り上がっているところにあります。
押すと少しズーンとした響きを感じるかもしれません。
見つけたら、両手の親指を重ねて、ゆっくりと体重をかけるように押してみましょう。
こちらも息を吐きながら5~7秒ほど押し、息を吸いながら力を抜くのを数回繰り返します。
左右両方の足にあります。
頭痛やめまいにも効果的なツボ「合谷(ごうこく)」の場所と押し方
「合谷(ごうこく)」は、万能のツボとも言われ、頭痛、歯痛、肩こりなど様々な症状に効果が期待できますが、吐き気やめまいにも良いとされています。
場所は、手の甲側にあります。
親指と人差し指の骨が交わる手前の、少しへこんでいる部分です。
押すと痛みを感じやすい場所でもあります。
見つけたら、反対側の手の親指と人差し指で挟むようにして、人差し指の骨に向かって少し強めに押してみてください。
こちらも息を吐きながら5秒ほど押し、息を吸いながら力を抜くのを数回繰り返します。
左右両方の手にあります。
ただし、妊娠中の方は刺激を避けた方が良いとされるツボなので、ご注意ください。
ツボ押しをする際の注意点とより効果を高めるコツ
ツボ押しは手軽にできるセルフケアですが、いくつか注意点があります。
- 食後すぐや飲酒後は避ける。
- 怪我をしている場所や炎症がある場所、皮膚に異常がある場所は押さない。
- 押す力は、「痛気持ちいい」と感じる程度が基本。強すぎると逆効果になることも。
- リラックスした状態で行うのが効果的。深呼吸をしながら、ゆったりとした気持ちで試す。
- お風呂上がりなど、体が温まっている時に行うのもおすすめ。
ツボの位置は個人差が多少あるので、紹介した場所の周辺を指で探ってみて、一番響く感じがするところや、押すと気持ちいいと感じるポイントを見つけるのがコツです。
焦らず、自分の体と対話するように行いましょう。
ツボ押しと鍼灸(しんきゅう)の違い
ツボ押しは、指や手を使ってツボを刺激する手軽なセルフケアです。
一方、鍼灸は、鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて専門家(鍼灸師)がツボを刺激する東洋医学の治療法です。
鍼灸はより専門的な知識と技術が必要ですが、症状によってはツボ押しよりも高い効果が期待できる場合もあります。
セルフケアで改善が見られない場合は、鍼灸院に相談してみるのも一つの選択肢です。
ツボ押しだけじゃない!低気圧による吐き気と体調不良を和らげるその他の対策
ツボ押しは有効な手段の一つですが、それ以外にも低気圧による吐き気や体調不良を和らげるためにできることがあります。
ここでは、日常生活の中で簡単に取り入れられる対策や、少しでも快適に過ごすための工夫をいくつかご紹介します。
自分に合った方法を見つけて、つらい時期を乗り切りましょう。
体を温めて血行を促進する具体的な方法とは
体が冷えると血行が悪くなり、自律神経の乱れを助長してしまうことがあります。
特に低気圧が近づいている時は、意識して体を温めるようにしましょう。
具体的な方法としては、まずゆっくりと湯船に浸かることです。
シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯(38~40度程度)に15分から20分程度浸かると、体の芯から温まり、リラックス効果も期待できます。
また、首元、足首、手首といった「首」とつく部分は太い血管が皮膚の近くを通っているので、ここを温めると効率よく全身を温めることができます。
ネックウォーマーやレッグウォーマー、アームウォーマーなどを活用するのも良いでしょう。
温かい飲み物を飲むのも効果的です。
カフェインの少ないハーブティー(カモミールティーやペパーミントティーなど)や生姜湯、白湯などがおすすめです。
耳のマッサージで自律神経を整える簡単テクニック
耳にはたくさんのツボが集まっており、耳をマッサージすることで自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
特に低気圧による不調を感じやすい方は、内耳の働きが関係していることもあるため、耳周りの血行を良くすることは大切です。
簡単なマッサージ方法としては、
- 両耳を指でつまみ、軽く上下左右に引っ張る。
- 耳全体を指で挟んで、ゆっくりと円を描くように回す。
- 耳を前後に折りたたむように、優しく圧迫する。
- 耳の付け根(耳の前後)を指でゆっくりと押したり、さすったりする。
これらのマッサージは、仕事の合間やリラックスしたい時に手軽に行えるので、ぜひ試してみてください。
痛みを感じない程度に優しく行うのがポイントです。
食事で気をつけることとは?消化の良い食べ物を選ぼう
低気圧で体調が優れない時は、胃腸もデリケートになっている可能性があります。
そんな時は、消化の良い食べ物を選び、胃腸に負担をかけないように心がけましょう。
例えば、おかゆやうどん、よく煮込んだ野菜スープ(カボチャや人参など甘みのある野菜がおすすめ)、鶏のささみや白身魚(タラやカレイなど)は消化が良いとされています。
逆に、脂っこいもの(揚げ物や肉の脂身など)や刺激の強い香辛料を使った料理、食物繊維が多すぎるもの(ゴボウや豆類など)、冷たい食べ物や飲み物は、胃腸に負担をかけやすいので避けた方が良いでしょう。
また、一度にたくさん食べるのではなく、少量ずつ何回かに分けて食べるのもおすすめです。
ゆっくりよく噛んで食べることも、消化を助ける大切なポイントです。
質の高い睡眠を確保するための環境づくりと工夫
睡眠不足や質の低い睡眠は、自律神経の乱れを悪化させ、低気圧による不調を感じやすくする原因の一つです。
質の高い睡眠を確保するために、寝る前の環境づくりにも気を配りましょう。
まず、寝る1時間前からはスマートフォンやパソコン、テレビなどのブルーライトを発する画面を見るのを避けるのが理想です。
これらの光は脳を覚醒させてしまいます。
また、寝室は暗く静かな環境を保ち、自分に合った寝具(枕の高さやマットレスの硬さなど)を選ぶことも大切です。
寝る前にカフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶など)を摂取するのは避け、リラックス効果のある温かい飲み物(ノンカフェインのハーブティーやホットミルクなど)を飲むのも良いでしょう。
寝る前に軽いストレッチをしたり、深呼吸をしたりして心身をリラックスさせるのも、質の高い睡眠につながります。
睡眠とメラトニンの関係
質の高い睡眠には、「メラトニン」というホルモンが深く関わっています。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、夜になると自然に分泌が増え、私たちを眠りに誘います。
このメラトニンの分泌を促すためには、朝に太陽の光を浴びることが重要です。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、夜のメラトニン分泌がスムーズになります。
また、寝る前の明るすぎる光(特にブルーライト)はメラトニンの分泌を抑制してしまうため注意が必要です。
低気圧による体調不良を予防するために普段からできること
つらい症状が出てから対処するのも大切ですが、できれば普段から予防を心がけたいものですよね。
ここでは、低気圧による体調不良を起こしにくくするために、日常生活の中で意識して取り組める予防策についてご紹介します。
少しの心がけで、体調の波を穏やかにできるかもしれません。
自律神経を整える生活習慣とは?規則正しい生活を送ろう
低気圧による不調の大きな原因の一つが自律神経の乱れです。
この自律神経を整えるためには、何よりも規則正しい生活を送ることが基本となります。
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを心がけましょう。
休日でも、普段とあまり変わらない時間に起きるのが理想です。
また、食事もできるだけ決まった時間に摂るようにすると、体内リズムが整いやすくなります。
朝起きたら太陽の光を浴びるのも、体内時計をリセットし、自律神経を整えるのに効果的です。
これらの基本的な生活習慣を続けることが、気圧の変化に負けない体を作るための第一歩となります。
適度な運動を取り入れて体力と気圧の変化への対応力を高めよう
適度な運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
また、体力がつくことで、気圧の変化といった外部からのストレスに対する抵抗力も高まります。
激しい運動をする必要はありません。
ウォーキングやジョギング(ゆっくりとしたペースで)、サイクリング、水泳など、自分が楽しめる有酸素運動を週に数回、30分程度行うのがおすすめです。
また、ストレッチやヨガなども、体の柔軟性を高め、リラックス効果もあるため、日常的に取り入れると良いでしょう。
大切なのは、無理なく続けることです。
まずは近所を散歩することから始めてみるのも良いかもしれません。
ストレスを上手に発散する方法を見つけて心身のバランスを保とう
ストレスは自律神経の天敵です。
日々の生活の中でストレスを溜め込んでしまうと、自律神経が乱れやすくなり、低気圧の影響も受けやすくなってしまいます。
自分に合ったストレス解消法を見つけて、上手に発散することが大切です。
例えば、
- 趣味に没頭する時間を作る(読書、映画鑑賞、手芸、ガーデニングなど)
- 好きな音楽を聴く、楽器を演奏する
- 信頼できる友人や家族とおしゃべりをする
- ゆっくりと入浴する(アロマバスなどもおすすめ)
- 自然の中で過ごす(公園を散歩する、森林浴をするなど)
- アロマテラピーを楽しむ(ラベンダーやカモミールなどリラックス効果のある香り)
- 瞑想や深呼吸をする
何でも構いません。
自分が心からリラックスできることや、楽しいと感じることを見つけて、意識的に時間を作るようにしましょう。
ストレスを溜めないことが、健やかな心身を保つ秘訣です。
天気予報をチェックして早めの対策を心がけることの重要性
低気圧による不調を感じやすい方は、天気予報をこまめにチェックし、気圧の変化を事前に把握しておくことが大切です。
最近では、気圧の変化をグラフで表示してくれるアプリやウェブサイトもありますので、活用してみるのも良いでしょう。
低気圧が近づいてくることが分かれば、早めに対策を講じることができます。
例えば、前日から睡眠時間をしっかり確保する、体を冷やさないようにいつもより一枚多く羽織る、予定を詰め込みすぎずにゆったりと過ごすようにするなど、心構えと準備ができます。
また、自分の体調と気圧の変化を記録しておくと(体調日記をつけるなど)、どのような時に不調が出やすいかというパターンが見えてくることもあります。
それによって、より効果的な対策を立てることができるようになるでしょう。
気圧予報アプリの活用
スマートフォン向けのアプリの中には、GPS機能と連携して現在地の気圧情報や今後の気圧予報をグラフで分かりやすく表示してくれるものがあります。
「頭痛ーる」のようなアプリは、気圧の低下が予測されるとアラートで知らせてくれる機能もあり、体調管理に役立ちます。
ご自身の体調と気圧の変動を照らし合わせて記録することで、よりパーソナルな対策を立てやすくなるでしょう。
(「頭痛ーる」は株式会社ポッケの登録商標です。詳細は公式サイトをご確認ください。)
それでもつらい時はどうする?医療機関を受診する目安
セルフケアを試しても、吐き気や体調不良がなかなか改善しない、あるいは日常生活に支障が出るほど症状が重い場合は、無理をせずに医療機関を受診することも考えましょう。
ここでは、どのような場合に病院へ行くべきか、その目安についてお伝えします。
専門家のアドバイスを受けることで、適切な治療法が見つかることもあります。
セルフケアで改善が見られない場合の受診のタイミングとは
ツボ押しや生活習慣の改善など、自分でできる対策をいくつか試してみても、一向に症状が良くならない、あるいは悪化するような場合は、医療機関を受診することを検討しましょう。
特に、以下のような症状がある場合は、早めに医師に相談することが大切です。
- 吐き気が数日間続き、改善の兆しが見られない
- 水分や食事も受け付けないほど吐き気がひどい
- 頭痛が我慢できないほど強く、市販の鎮痛薬も効かない
- めまいが頻繁に起こり、まっすぐ歩けない、または立っていられない
- 手足にしびれや麻痺がある
- ろれつが回らない、言葉が出にくい
また、症状が軽くても、それが原因で仕事や家事に集中できないなど、生活の質(QOL)が著しく低下していると感じる場合も、一度専門家に診てもらうと良いでしょう。
我慢しすぎないことが大切です。
何科を受診すればいいの?症状に合わせた診療科の選び方
低気圧による体調不良で病院にかかる場合、どの診療科を受診すれば良いか迷うかもしれません。
まず、主な症状が吐き気や胃腸の不調であれば、内科や消化器内科が考えられます。
頭痛がひどい場合は、内科のほか、神経内科や頭痛外来を設けている医療機関も選択肢に入ります。
めまいが主な症状であれば、耳鼻咽喉科が良いでしょう。
また、気分の落ち込みやイライラといった精神的な症状が強い場合は、心療内科や精神科に相談することも考えてみてください。
かかりつけ医がいる場合は、まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門の診療科を紹介してもらうというのも一つの方法です。
医師に伝えるべきこととは?的確な診断のために準備しておこう
医療機関を受診する際には、医師に自分の症状を的確に伝えることが大切です。
事前に以下の情報をメモなどにまとめておくと、スムーズに伝えられます。
- いつからどのような症状が出ているのか:具体的な日付や時間帯、症状の始まり方など。
- どんな時に症状が強くなるのか:例えば、天気が崩れる前、特定の時間帯、特定の行動をした後など。
- 症状の程度はどのくらいか:日常生活にどれくらい支障が出ているか、痛みや不快感の強さを10段階で表現するなど。
- 吐き気以外の症状はあるか:頭痛、めまい、だるさ、気分の変化など、気づいたことは全て。
- これまで試した対処法と効果はどうだったか:市販薬の使用、ツボ押し、安静など、何をしてどうだったか。
- 普段から飲んでいる薬やサプリメント:お薬手帳があれば持参しましょう。
- アレルギー歴や既往歴:過去にかかった大きな病気や手術歴など。
- 生活習慣について:睡眠時間、食事内容、運動習慣、喫煙・飲酒の状況など。
詳しい情報が、より的確な診断と治療につながります。
具体的に伝えることを心がけましょう。
病院で受けられる治療やアドバイスにはどんなものがあるの?
病院では、まず問診や必要な検査(血液検査、尿検査、画像検査など、症状に応じて)を通じて、症状の原因を特定しようとします。
低気圧による不調と診断された場合、症状を和らげるための薬が処方されることがあります。
例えば、吐き気止め、頭痛薬(鎮痛薬や片頭痛治療薬など)、めまいを抑える薬、自律神経を整える薬などです。
また、体質改善を目指して漢方薬が処方されることもあります。
漢方薬は、個々の体力や症状に合わせて選ばれ、根本的な体質改善に繋がることも期待できます。
薬物療法だけでなく、生活習慣の改善に関する具体的なアドバイスや、ストレス対処法についての指導などを受けられることもあります。
医師や医療スタッフとよく相談し、自分に合った治療法や対処法を見つけていくことが大切です。
漢方薬の考え方
東洋医学の一部である漢方では、体の不調を部分的に捉えるのではなく、体全体のバランスの乱れとして捉えます。
そのため、漢方薬は一つの症状だけでなく、体質全体を整えることを目指して処方されることが多いです。
例えば、低気圧による不調には、「五苓散(ごれいさん)」や「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」などが体質や症状に応じて使われることがあります。
漢方薬に興味がある場合は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみましょう。
低気圧と上手に付き合っていくための心構え
低気圧による体調不良は、なかなか完全になくすことが難しい場合もあります。
しかし、原因を理解し、適切な対策を講じることで、症状を軽減したり、コントロールしたりすることは可能です。
ここでは、低気圧と上手に付き合っていくための心構えについてお伝えします。
自分の体調の波を理解し受け入れることの大切さ
まず大切なのは、自分の体調には波があり、特に低気圧の影響を受けやすい時期があるということを理解し、受け入れることです。
「また調子が悪くなった」と落ち込むのではなく、「今はそういう時期なんだ」と捉え、無理をしないように心がけましょう。
自分の体が出すサイン(例えば、軽い頭痛やだるさなど初期の不調)に耳を傾け、早めに休息を取るなどの対応をすることが、症状の悪化を防ぐことにつながります。
体調記録をつけて、自分のパターンを把握するのも有効です。
完璧を目指さず出来る範囲で対策を続けること
低気圧対策として様々な方法をご紹介しましたが、全てを完璧にこなそうとすると、それが新たなストレスになってしまうこともあります。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、自分にできる範囲で、無理なく続けられることを見つけて実践することです。
今日はツボ押しだけ、明日は少し長めにお風呂に入る、など、その日の体調や気分に合わせて、できることを一つでも取り入れてみましょう。
少しでも楽になれば、それで十分です。
小さな成功体験を積み重ねることが、継続のモチベーションになります。
周りの人に理解を求める勇気と工夫
低気圧による体調不良は、見た目では分かりにくいため、周りの人に理解されにくいことがあります。
もし可能であれば、家族や職場の人など、身近な人に自分の体質について伝えておくと、いざという時に配慮してもらいやすくなるかもしれません。
「天気が悪い日は体調を崩しやすいので、もし辛そうにしていたら声をかけてもらえると助かります」といったように、具体的に伝えると理解を得やすいでしょう。
もちろん、伝えることに抵抗がある方もいるでしょう。
その場合は、無理に伝える必要はありませんが、例えば「今日は少し体調が優れないので、休憩を多めに取らせてください」など、具体的な状況を伝えるだけでも理解を得やすくなることがあります。
一人で抱え込まないことも大切です。
前向きな気持ちで日々を過ごすためのちょっとしたコツ
体調が悪いと、どうしても気分も落ち込みがちになります。
しかし、そんな時こそ、少しでも前向きな気持ちで過ごせるような工夫をしてみましょう。
例えば、
- 好きな香りのアロマを焚いてリラックスする(柑橘系は気分をリフレッシュさせ、ラベンダーは心を落ち着かせる効果が期待できます)
- 心地よい音楽を聴く(ヒーリングミュージックや自然の音など)
- 面白い動画や映画を見て笑う
- ペットと触れ合う(アニマルセラピー効果)
- 温かい飲み物を飲んでホッとする
また、天気が良い日には、短い時間でも外に出て太陽の光を浴び、新鮮な空気を吸うのも気分転換になります。
小さなことでも良いので、自分を労わる時間を持つことが大切です。
自分にご褒美をあげるのも良いでしょう。
セルフコンパッションのすすめ
セルフコンパッションとは、「自分への思いやり」のことです。
体調が悪い時、自分を責めたり、「なぜ自分だけ」とネガティブになったりするのではなく、「つらいよね」「頑張っているね」と自分自身に優しく声をかけてあげることが大切です。
他人を思いやるように、自分自身のことも大切に扱うことで、心の負担が軽くなり、前向きな気持ちを取り戻しやすくなります。
まとめ
今回は、低気圧による吐き気や体調不良の原因と、その対策として自分でできるツボ押し、その他のセルフケア方法、予防策、そして医療機関を受診する目安などについて詳しくお伝えしてきました。
最後に、この記事のポイントを改めて振り返りましょう。
低気圧による吐き気と体調不良の主な原因を再確認
低気圧による吐き気や体調不良の主な原因は、気圧の急激な変化に体が対応しきれず、自律神経が乱れることでした。
また、体内の水分バランスの乱れや血管の拡張なども関係していると考えられています。
これらのメカニズムを理解しておくことで、なぜ対策が必要なのかがより明確になるでしょう。
原因の理解が対策の第一歩です。
今日からできる具体的なツボ押しとセルフケアを振り返ろう
具体的な対策として、吐き気に効果的な「内関」、胃腸を整える「足三里」、万能ツボの「合谷」といったツボの場所と押し方をご紹介しました。
また、体を温める、耳のマッサージをする、消化の良い食事を心がける、質の高い睡眠を確保するといったツボ以外のセルフケアも有効です。
これらは今日からでも手軽に試せるものばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。
手軽なケアから試すのがおすすめです。
予防策を継続して低気圧に負けない体づくりを目指そう
症状が出てから対処するだけでなく、普段から規則正しい生活を送る、適度な運動をする、ストレスを上手に発散するといった予防策を続けることが、低気圧による不調を起こしにくい体を作るためには非常に重要です。
天気予報をチェックして早めに対策することも忘れないようにしましょう。
継続は力なり、です。
つらい時は無理せず専門家にも相談することも大切
セルフケアを続けてもなかなか改善しない場合や、症状が重い場合は、決して無理をせず、医療機関を受診することも考えてください。
医師に相談することで、適切な治療法やアドバイスを受けることができます。
自分の体としっかり向き合い、健やかな毎日を送るための一歩を踏み出しましょう。